ＮＨＫ交響楽団第1483回定期公演
2003. 2.22.Sat.14:00 ＮＨＫホール
| 指揮：ヘルベルト・ブロムシュテット 管弦楽：ＮＨＫ交響楽団 クラリネット：磯部周平(*) |
Ｒ.シュトラウス：13管楽器のためのセレナード 変ホ長調 作品7 ニルセン：クラリネット協奏曲 作品57(*) 〜 休憩 〜 シベリウス：交響曲第2番 ニ長調 作品43 |
1月の演奏会が非常に残念な出来だったのでとても心配していましたが、非常に素晴らしい演奏会となりました。この状態をずっと維持し続けてほしいと強く願います。
今回のプログラムで印象に残った度合いはプログラムの順番となりました。一番印象に残ったのはR.シュトラウスが18歳で書き上げた管楽アンサンブルです。Ｎ響の木管（とホルン）のアンサンブルの素晴らしさを強く感じたこの演奏、できることならＮＨＫホールではなく東京オペラシティや紀尾井ホールなどで聴いてみたいと思いました。溶け合う音色の妙、ＮＨＫホールでも十二分に感じることができたのですから、いいホールで聴いたらもっといいんだろうなぁと想像してしまいます。ブロムシュテットの指揮はとても優しく、慈愛に満ちた演奏となりました。ブロムシュテットのことですから、非常に厳格なリハーサルを行ったのでしょう。だからこそこのレヴェルまで到達できたのかなと思います。
2曲目のニルセンのクラリネット協奏曲はとても面白く、また難しい曲です。ソリストの磯部はブロムシュテットの流れに合わせながらも、自己を主張することも忘れない素敵な演奏だったと思います。また、スネアを演奏した方にも大きな拍手を贈りたいと思います。それにしても、この曲はとても難しいと思います。ＮＨＫ交響楽団はブロムシュテットの指揮でニルセンの楽曲に果敢にチャレンジしていますが、その成果がこの曲でも大いに現れていたと思います。
後半のシベリウスの交響曲第2番は（広いホールだからでしょうか）ボリュームに気を取られていると思ったところが何ヶ所かありましたが、細かいニュアンスまでよく表現していたと思います。ただし、個人的には最初の曲で聴くことができたような上品さを持ち合わせると良かったかなと思います。
ブロムシュテットは2年に1回ぐらいの割合で聴いていますが、いつも期待を裏切らない出来で大変満足しています。次回の共演も楽しみです（来シーズンの指揮者リストには載っていなかったので、その次のシーズンの登場となるのでしょうか）。